食に対して改めて『奥深い!』と強く感じたのは

社会人一年目。

 

一人一人の背景があり、嗜好が異なる中で、

給食という一律の献立を食べていただく。

そこに出来る工夫や思いやりって何だろう。

 

ずっとそれを考えながら、

管理栄養士の仕事を続けてきた私の、

食への思いを綴っておこうと思います。

 

 

管理栄養士として働き始めるまで、

自分の生きてきた環境が“普通”だと思って

いました。

 

大学に入って栄養士としての学びを得て、

郷土料理のことを学んでいても“日本” “日本人”

という1つの括りとして捉えていたので、

ある意味「箱入り」な、狭い知見でした。

 

 

新卒で病院に就職し、献立を立てるようになり、

上司に数々のアドバイスをもらった中で

強く印象に残っていることがあります。

 

当時、4名の管理栄養士が勤務していた栄養科。

ボスは北九州出身。

先輩2名は、鳥取と島根出身。

 

ある日、

「私は新鮮な魚が美味しいところで生まれ

育ったのよ。2人(先輩のこと)も魚が美味しい

ところ出身。」

とボスが話し始めたのです。

 

「あなたの前任者は京都出身でね。いつも献立に

漬けた魚を入れる傾向にあったのよ。私にして

みれば、理解しがたかったわ。あなたは東京

生まれ、東京育ちだから雑多な食習慣で生活して

きたと思うけれど、特別な物が無いのよね。」

 

 

そう言われてキョトンとしてしまいました。

自分の生まれ育った環境の食について、

そんな捉え方をしたことがなかったからです。

 

 

その後も、度々学びがありました。

 

当時三宅島の噴火によって避難されていた

患者さんの食事指導をしていた時のこと。

 

三宅島に早く帰りたいとお話されるご家族の

気持ちに寄り添いたいと思いながら、色々と

お話を伺っていると「水も食べ物も違うから。

給食を変えてもらうことはできないものね」と。

 

また、外来の食事指導をしていても、

食べる物の傾向が、出身や育ってきた環境と強く

関係していると見えてきました。

 

そうするうちに、あの時キョトンとしてしまった

上司の言葉が理解できるようになりました。

 

 

さらに、その後、

高齢者施設で働いていた時。

相方の栄養士と献立を検討していると、食の傾向

が出るのです。

揚げ物が好きな方だったので、意識的にも、

無意識にも揚げ料理が組み込まれる事が多く、

調整することが度々ありました。

 

そして、2人でよく、幼い頃からの食の環境に

ついて話したものでした。

話せば話すほど「なるほど、それがここに出る

のですね」と興味深い。

 

それからも多くの経験をし、

保育園での給食に携わるようになると、

これもまた深い。

子どもはどこから食の嗜好が?

食事を作る保護者の方、もっと遡ると、

胎児の頃から。

 

 

一律である訳がなく、一律で良いはずもなく、

人それぞれなのです。

それで良いわけです。

 

 

では、管理栄養士の私ができることは何?

新卒の頃から大切にしてきたこと。

 

一人一人の背景があり、嗜好が異なる中で、

給食という一律の献立を食べていただく。

そこに出来る工夫や思いやりって何だろう。

 

給食を提供する場からは離れた私ですが、

根底の思いは変わりません。

 

むしろ、お一人、お一人に合ったものを…

との思いが強くなったからこそ、今こうして、

体づくりのプログラムをお届けするに

至りました。

 

お一人、お一人の生活環境に合わせた、

ちょっとした工夫、出来ることから変えていく、

そんな食のお話。

そして、いつでも、いくつになっても変われる

自分の体が愛しくなるボディメイクで、

体と心を健康に。

 

食と体とこころが結び付くハッピーライフ。

あなたの元に届きますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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